カタカナ英語は英語ですか?

カタカナ英語は英語ですか?

日本語を表記する方法は、平仮名、片仮名、漢字、ローマ字、手話、点字などがあります。片仮名(カタカナ)は、便利な文字で擬態語や外国語、外来語の表記にかかせません。この便利な表記が、和製英語*としてカタカナ表記され、とんでもない英語になっていることがあります。英語としては通用しないので和製英語というのもおかしなことです。とりあえずカタカナ英語と呼ぶことにしましょう。カタカナ英語は英語なのでしょうか? "カタカナ英語"** と呼ぶ時点で英語ではないのですが...。

* 【和製英語】日本で(英語の単語を組み合せて)作った英語らしく聞える語。「オフィスレディー」「ナイター」の類。(広辞苑 第五版)
** そろそろ日本もこのカタカナ英語の使用を止めて、学校や企業などでも正しい英語を使用していく社会になることをナビックスは望んでいます。

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Go To

●Go To トラベル
Go To Travel の英語としての一番の問題は to です。gotravel は少し重複していますが、一緒に使うこともあります。Let's go travel somewhere. と言えますね。Let's go shop at the mall. I'm gonna go buy some groceries. のように go と他の動詞を直接つなげます。
totravel の前に入れると、travel は行動ではなく目的地の扱いになることです。「トラベルという場所に行きましょう」という意味になり変です。go on a trip、または take a trip の方が自然です。Let's take a trip.Let's go on a tripLet's take a trip somewhere.Let's go on a trip to Osaka. という言い方が普通です。 キャンペーンのコピーとしては、Go travel the world.「世界を旅行しよう(世界旅行に行ってみませんか?)」というのはどうでしょうか。日本国内でもこのイメージで良いと思います。travel という動詞自体は少しかたいイメージですね。Let's go travel to South America. と言うのもOKです。

●Go To イート
Go To Eat も Go To トラベルと同じパターンですね。「食べるという場所に行こう」という意味になります。Go out to eat「食事するために出かける」と言えば、「出かけて外食する」という意味になり自然です。Go eat「食べに行って」も文法的にOKですが、それだけだとなんか原始人の言葉みたいですね。


●アイスバーン
路面が凍結した状態をアイスバーンというカタカナで表記することがあります。これを英語と思っていませんか。アイスバーンはドイツ語の Eisbahn が由来です。Eis が氷、Bahn が道という意味です。路面が凍結した状態を英語では通常 icy road と言います。Eisbahn はスケートリンク、スケート場という意味です。スケートリンクの英語は ice rink または skating rink です。

Bです。アイスバーンは ice-burn だと思って、低温火傷か凍傷(frostbite)として解釈してしまいました。 中国のミステリードラマに Burning Ice「無証之罪」というドラマがあります。この Burning Ice という表現は、わざと矛盾するように作られた感じです。「燃えている氷」はあり得ない現象なのでポエムのような雰囲気です。普通にかっこいいです。比喩的には、人が冷静でありながら熱心でもあるイメージです。 秦昊(チン・ハオ)が演じる、刑事厳良(イェン・リャン)がかっこいい。

●アニメ
英語の animation を短縮したことばです。英語でも anime で分かります。anime は日本の cartoons のことを言います。あまりアニメのことを知らない人と話をするときには、Japanese cartoons と言えばいいと思います。日本の放送コンテンツ海外輸出額をジャンル別にみると、「アニメ」が8割近くを占めています。 (出展 2016年 総務省) オタクには漫画も manga で通じるかもしれませんね。通じない場合は、anime comics か Japanese comics で分かると思います。

●アメリカンドッグ
アメリカンドッグ、フェスティバルや遊園地で人気のスナック。本場アメリカでは Corn Dog と言います。ソーセージを棒に刺し、コーンミール生地で包んで揚げたこのスナックは、アメリカのフェアやカーニバルの定番です。アメリカンドッグは和製英語です。

* アメリカでは Corn Dog はイベントの象徴的な食べ物。日本に渡ると アメリカンドッグという名前に。日本では、コーンミールの代わりに小麦粉を使った生地が一般的。そのため、食感や風味がアメリカの Corn Dog とは異なります。
** Bです。アメリカンドッグを初めて聞いたときは意味が分かりませんでした。普通のパンに入っているホットドッグで、何かアメリカ風の味付けの物を想像しました。corn dog のことだと気づいたら、その言い方はアメリカの文化をバカにしているギャグだと思いました。アメリカでは、ジャンクフードの中でも corn dog は、しょぼいイメージがあります。ホットドッグをアメリカ風にすると、こんな品が悪い物になるか、と思いました。アメリカを代表する食べ物として恥ずかしいです。それでも、個人的に大好きです。子供のころから State Fair という夏祭で、小麦粉を使ったアメリカンドッグをよく食べていました。

●アルバイト、バイト
英語では、part-time job、または temporary work と言います。アルバイトはドイツ語の Arbeit が語源です。 「アルバイト」や「バイト」に似ている英語の言葉もないので意味が全然通じません。「パート」ですと part-time に近いので意味がなんとか分かります。 temporary work、または temp work は、派遣会社を通じた2週間とかの短期の仕事という意味もあります。

●アンテナショップ
アンテナショップは和製英語です。英語は showroom と言います。アンテナショップは、地方の特産品や文化を紹介する店舗で、地域の魅力を都市部の人々に伝えることを目的としているのと同時に消費者の反応などを探るための店舗です。英語の showroom では、商品やサービスを展示する場という意味が強いですが、アンテナショップはそれに加えて、地方と都市をつなぐ文化的な窓口の役割も担っています。

Bです。今までアンテナショップの意味はよく分かりませんでした。英語には存在しない表現でも、antenna shop と言うと、発信する店のイメージですね。

●イギリス
広辞苑 第五版では、Inglez ポルトガル・英吉利。江戸時代、日本ではエゲレス・アンゲリアなどと称した。英国。と記載されています。外務省のウェブサイトで確認すると、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland が正式名称です。イギリスは、England(イングランド)、Wales(ウェールズ)、Scotland(スコットランド)、Northern Ireland(北アイルランド)の4つの国からなる連合国です。Inglez のポルトガル語は、England のことで、このポルトガル語がイギリスの元になっているようです。通常、英語でイギリスというときは、正式名称は長いので、略して UK、または略さないで United Kingdom、もしくは Great BritainBritain。イギリス人というときは British となります。日本語で表記するときは、「英国」を使用します。

Yowamushi Pedal(弱虫ペダル - Netflix)Sseason 5: Episode 23で荒北さんが優勝の条件としてあげた「どうにもならない思い」について、金城さんが小野田坂道の1年を振りかえるシーン、巻島さんが金城さんに「9月から俺イギリス行くショ」のサブタイトルは Starting September, I'm going to England. となっているが、これは間違いですね。行先がイギリスの England であればOKですが、イギリスの英語表記は上記の通りです。因みに、無料のGoogle、みらい翻訳、DeepL、Chat GPT 3.5で「9月から俺イギリス行く」を英語に翻訳してもらったら、Englandと翻訳されました。これは日本の殆どの人がイギリス≠Englandということを理解していないからかも知れませんね。

●ウルトラ
「超」「過度」「極端」などの意味で使われますが、英語の発音は「アルトラ」のようになります。印刷のときに使用するインクで、UVインクというインクがあります。紫外線を当ててインクを速く乾かします。この UVultraviolet 、日本語は紫外線ですが、可視光線の紫を超えた側にあるという意味です。日本で特撮のヒーローといえば、ウルトラマン(Ultraman)は外せません。英語は「アルトラメァン」のようになります。

●エレクトーン
英語も Electone です。エレクトーンは、ヤマハ株式会社が製造発売する電子オルガンの商品名であり、同社の登録商標です。なので、一般的には電子オルガンというのが正しいです。英語は electric organ です。エレクトーンは、複数のキーボードとフットペダルを備え、多彩な音色やリズムパターンを生成できる高度な機能を持っています。

Bです。Electone というのは聞いたことのない名称です。電子キーボードの業界では有名だと思いますが、ピアノなどが趣味ではない人には知られていない可能性が高いです。

●オルゴール
広辞苑 第五版では、①自動楽器の一。箱の中に櫛の歯形の固定音階板を装置し、ぜんまい仕掛けで回転する円筒につけた多くのとげが順次それに触れて自動的に演奏する。箱や時計などに仕掛ける。自鳴琴(これでオルゴールと読みますよ)。風簫(ふうしょう)。由来はオランダ語 orgel と説明されています。英語は music box(アメリカ)、musical box(イギリス)です。オルゴールは中世ヨーロッパで時計塔に組み込まれ、人々に鐘の音で時を知らせたのが原型らしいです。詳細はネットで探してみてください。皆さんが知っているオルゴールはシリンダー(上記①)が回るものでしょうか。実際のオルゴールは意外と大きく、ディスクを回すタイプのものは、戸棚ほどの大きさになります。Hは実際のオルゴールを見て、その演奏を聴いたことがあります。最初に聴いたときの衝撃は今でも記憶に残っています。ネットで「オルゴールの小さな博物館」で検索してみてください。オルゴールの小さな博物館は閉館していますが、ここのウェブサイトが凄いのは、オルゴールの知識はもちろんですが、オルゴールの映像と音を楽しむことができます。オルゴールが奏でる音を聴きながら、たまには中世ヨーロッパにタイムトラベルしてみるのもいいのではないでしょうか。

Bです。初めて「オルゴール」と聞いたときは意味が全然分かりませんでした。英語は music box と言います。 小さい子供のころはおばあさんの家で色々な小さいオルゴールと遊んだので懐かしい物です。musical box を聞いたことはないですが、ネットで検索すると確かにイギリス英語の結果が多いです。


●カッター、カッターナイフ
英語は box cutterutility knife です。カッター、カッターナイフといえば、刃を折るタイプのカッターを皆さんイメージされると思います。このカッターは、1956年に「折る刃式カッターナイフ」として、オルファの創業者 岡田良男によって生まれました。詳細はオルファ株式会社の「折る刃式カッターナイフの誕生秘話」をご覧ください。英語の box cutter は、刃から手を保護する為にハンドルを付けたもので、1920年代に誕生したと考えられています。utility knife は、使用するときにボタンを押して刃をスライドさせ、使わないときは刃を格納するというナイフ。それぞれ言葉の背景が違いますが、「折る刃式カッターナイフ」の英語は、box cutterutility knife です。

●キーホルダー
key chain、または key ring と言います。key holder と言うと鍵をかけて置く場所のようなイメージでネイティブには伝わりません。

●キャビンアテンダント
飛行機に乗ると色々とお世話をしてくれる客室乗務員。これを日本ではキャビンアテンダント、略して CA(Cabin Attendant)とも言いますが、英語ではこの表現は使用されません。英語では、Flight AttendantCabin Crew などの表現が使用されます。できれば日本で使用する表現も英語圏と合わせて欲しいと思います。

* 2023年7月初旬にマレーシア出張でAir Asiaを利用したときは、Cabin Crew という表現を使用していましたね。
** 昔は、女性の客室乗務員を Stewardess、男性の客室乗務員を Steward と言っていましたが、今は Gender Equality の時代。男女で呼び方が変わる表現は使用されなくなったのでしょうね。(Steward の語源に差別表現が含まれているという説もあるらしいのですが、それはネットで探してみてください。)
***CA を初めて聞いたときは意味が全然分かりませんでした。大学の寮のスタッフの Community Advisor しか思い浮かばなかったです。今は Stewardess はアメリカではほとんど聞かれませんが、90年代にその言葉を使用した場合、その女性を見下している雰囲気がありました。

●クレーム
苦情などを言うときに、日本語でクレームという言葉が使われることは当たり前のようになっていますが、英語でこの意味で claim と言っても通じません。英語で苦情を表現するときは complain(動詞)、complaint(名詞)を使います。claim は主張する、請求するなどの意味で使われます。ゲームで claimclaim prize が画面にでたら「賞品獲得」ですね。ゲームをクリアしたので、当然の結果として賞品やアイテムを請求して獲得できるので claim と覚えておいてもいいかもしれませんね。宝くじに当たったら Claim your prize. と言われます。言われたいですよね。また、施設のスタッフが忘れ物を見つけたら If this wallet is yours, please claim it at the front desk. のようにアナウンスします。「受け取る権利があることを主張する(または証拠を見せる)」のニュアンスがあります。

●グルメ
元はフランス語の gourmet ですが、さすが世界三大料理の一つ。英語でも gourmet で通じます。発音をカタカナで表記するとグァメイかな。グルメには食通、美食家という意味がありますが、美味しい料理や食材という意味もあります。高級感がある場合に、使用されるようですね。彼は食通というときには、He is a foodie. とも言えます。foodie は比較的最近の表現です。He is an epicure. 食にうるさいというイメージが転用して He is an epicure in music. というと「音楽にうるさい」という表現になります。

Bです。英語で He is a gourmet とは言いませんね。20年ほど前から foodie をよく聞くようになりました。epicure という言葉を聞いたことはないですが、形式ばった言い方としてときどき形容詞の epicurean が使われます。
gourmet は人ではなく食事自体について使われます。gourmet foodsgourmet recipes とよく言います。人に対して使う場合、 He is a gourmet chef. のように言います。

●ゲノム、ゲノム解析
オミクロン株が出てきて、メディアでとりあげられるようになったゲノム解析。genome(ゲノム)とは、gene(遺伝子)と ome(集合体)を合わせた造語です。日本語ではゲノムと表記しますが、英語の発音は、カタカナで表すと「ジーノゥム」のような発音になります。

●ゴールイン
goal in は和製英語です。「広辞苑第5版」では「(和製語)①決勝点に到着すること。②目的・目標に達すること。特に、結婚すること。」とあります。目標を達成する、目標に到達するという意味では、reach the goalcross the finish line、結婚するは、get married です。

●ゴールライン
弱虫ペダル(Netflix)のアニメを見ているとき、アニメのなかでゴールは GOALと表示されているのですが、このゴールに対しての英語のサブタイトルの表現について、Season 2 Grande Road では、finish line で翻訳しているのに、Season 5 では goal linefinish line の両方が使用されています。少し気になったので調べてみました。Tour de France や F1、マラソンなどの走行系の場合の英語は、finish line とするのが正しいです。サッカーやラグビーなどの場合は、競技場(グラウンド)とゴールの区切りの線を英語では goal line と言います。まだ、日本では、この違いを理解するまで finish linegoal line と表現しそうですね。弱虫ペダルのアニメでは、「ゴール」、「ゴールライン」という表現のときに、"goal""goal line" という表現を使用しているようです。

* 弱虫ペダルのアニメ Season 3 RIDE 11 決着では、段竹君が「インターハイで鏑木君がゴールするところを見てみたい」というシーンで、ゴールは FINISH と表示されていました。他にも FINISH と表示されているシーンがあるかも知れません。
**<参考>
KENNKYUSHA'S NEW ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY FIFTH EDITION

1〘アメリカンフットボール〗得点ゾーンの前のライン。2〘サッカー・ラグビー〗ゴールライン⦅fieldのゴールの線;cf. touchline 1⦆
WEBSTER'S NEW WORLD COLLEGE DICTIONAY FIFTH EDITION
goal line 1. a line representing the goal in various games. 2 Football the line separating an end zone from the rest of the playing field.
finish line a line that marks the end of a race.

●コップ
「男はつらいよ 第24作 寅次郎春の夢」満男が英語塾へ通っているというやりとりの冒頭シーン
 - 博「ビールどうぞ」
 - 寅次郎「先生よ じゃあ このビールは英語で何て言うんだい?」
 - 博「これも英語ですけど」
 - 寅次郎「ん... じゃー コップは何て言ってくれんだい コップはよ」(ちょっと切れ気味で)
 - 博「コップも英語なんですけど」
コップは英語ではなくて、オランダ語由来です。【広辞苑 第五版】ガラス製の飲み物用の容器。カップ。と紹介されています。カップは英語の cup から来ています。通常コップでイメージするのはグラス glass、ガラス製のコップではないでしょうか。なおガラスの由来はオランダ語の glas です。

●コンセント
これは和製英語。英語では、wall outletoutletsocket などと言います。

調べていくと concentric plug (同心円状のプラグ)が元になっているようです。電気が普及し始めたころはコンセントプラグと呼んでいて、これをコンセント(受け側)とプラグ(差し込む側)という名称に分けて現在に至っているようです。興味のある方はネットで検索してみてください。


●サイコン
サイクルコンピューターの略。英語は cyclocomputer。自転車に取り付けて、自転車の速度や走行距離などを計測してくれる機器。「弱虫ペダル」裏門坂のレースで今泉君が小野田君のママチャリに取り付けてくれたのがこのサイコンですね。「サイコン」という短縮は「パソコン」や「マイコン」と同じパターンですね。

●サイン(署名、合図)
有名人などに求めるサイン、英語は autographと言います。autograph は他動詞にもなります He autographed the photo.「この書類にサインしてください」のときのサイン、いわゆる署名は signature と言います。「書類にサイン(署名)して」という場合の sign は 他動詞として、Please sign this document. のように使います。 また、野球などでサインを送るなどのサイン、助けを求める合図を送るなどのサインは、英語では signal または sign と言います。手振りの合図という意味から sign language(手話)という言葉が生まれたと思います。

今は1970年代ほど流行っていないですが、人の sign は占いの星座のことです。What's your sign? は「何座?」という意味です。

●シール
子供のころ、箪笥(たんす)などにぺたぺた張って遊んだシール、英語は sticker と言います。seal には「密封する」という意味があります。

●ジェットコースター
ジェットコースターも和製英語です。ゆっくりと何十メートルも高い位置に上っていって一気にくだるという乗り物。私はそういう乗り物が苦手です。英語は roller coaster です。roller coaster は「ローラー(のようなホイール)の上で惰力走行する物」というイメージの言葉です。日本で初めて「ジェットコースター」を聞いたときは、固有名詞だと思って、戦闘機のテーマの乗り物またはブースターのエンジンがあるように高速で走るアトラクションを想像しました。

●ジャンヌ・ダルク
フランスの救国の乙女、ジャンヌ・ダルク。日本でも多くの人が知っていることと思います。カタカナ表記のジャンヌ・ダルクは、フランス語の Jeanne d'Arc をカタカナに置き替えたものですね。でも実際にフランス語の発音では、そう聞えないので注意が必要です。さてこのジャンヌ・ダルク、英語は Joan of Arc です。実際の英語の発音をカタカナ表記すると「ジョーナヴァーク」となります。特に歴史上の偉人については、カタカナ表記が英語に近い表記になっていないことが多いので、あらかじめ話す内容がわかっているときは、英語でどう表記・発音されるのか調べておいたほうが無難だと思います。

●スピードダウン
(何かの)速度を下げるという意味で使う speed down はカタカナ英語です。英語ネイティブにはわかりません。(何かの)速度を下げる場合は slow down です。これと反対に(何かの)速度を上げる場合は speed up となります。
slow down は 仕事のペースを落とす(さぼる)という意味でも使われます。

「スピードダウン」は、「スピード」は名詞で、それを「ダウン」する(下げる、落とす)という意味ですね?英語では、speed は動詞ですから使い方が違うと思います。「速く走る」という意味で that car is speeding と言うと「その車は速く走っている」または「その車の走行は(制限を超えて違法で)速過ぎる」という意味です。そして、up を付けて that car is speeding up にすると、強調され「加速している」という意味になります。「暴走する」というイメージの動詞 speed に逆の down を付けてしまうと矛盾になるので、speed down は変な組み合わせです。
そして、slow downslow も動詞で、that car is slowing down と言うと「減速している」という意味です。

●スマホ
これは英語の smartphone を短くした和製英語ですね。mobile phone、または cell phone という表現もよく使用されます。ヨーロッパの人は mobile phone をアメリカの人は cell phone をよく使うと思います。

この smart は薄型か細いという意味でスマートだと思っている日本人が多いそうです。賢い(機能や才能が多い)という意味です。smart bombs(ただ落ちるのではなくAIで左右される爆弾)と同じパターンです。
cell phone と言われるようになったのは、携帯電話の基地局を繋げたネットワークを上から見たときのイメージがセル(細胞)のようだったからです。正式には、CM とかメーカーや T-Mobile などのサービス会社では mobile phone と呼びます。少しかたい言い方なので一般人は今も日常で cell phone と言うことが多いです。

●セルフレジ
自分で会計をするコンビニやスーパーが増えてきていますね。これをセルフレジと言いますが、英語はセルフレジとは言いません。英語は self checkout です。self-register と言っても別に変ではなく、意味が通じますが、ネットで検索してみると、確かに、日本のサイトの英語版(日英翻訳)は self checkout の結果が多いです。self-checkout とした方が自然ですね。 (参照、レジ

●セレブ
英語の celebrity 、または celeb が元になっているカタカナ英語ですね。でも日本で使われるセレブの意味と、英語の本来の意味では全く違う意味だということを知っていますでしょうか。セレブは、「金持ち」とか「裕福な」とか、という意味で使われますが、celebrityceleb は、誰もが知っている有名人や著名人という意味で、日本語のセレブの意味はありません。確かにそういう人は裕福にもなり、お金持ちになるのかもしれませんが、英語では、その人が裕福でなくても誰もが知っているということですと、celebrity、celeb となります。


●ダンボール
引っ越しなどに重宝するダンボール。「段ボール」と書きます。「段」は日本語ですね。正式には「段ボールシート」と言うそうです。英語は一般的には cardboard で通じます。ダンボール箱は、box を加えて cardboard box です。

技術的には、段ボールは corrugated board と言います。cardboardcorrugated board の技術的な違いは、cardboard はシートを重ねて厚く製造するのに対して、corrugated board は波型の段々になったものを2枚の板で挟んで製造します。日本語の「段ボ―ル」は、現レンゴー株式会社の創業者井上貞治郎が1909年に製造したのが最初です。ボールは board の英語の発音では、「d」は強調されないので「ボード」より「ボール」に近いので、そう聞えたのではないでしょうか。

●デッサン
デッサンはフランス語由来で、英語では drawing と言います。sketch もよく使用されます。drawing は対象の詳細な観察を通じて、形態や構造、陰影を細かく捉えます。一方、sketch はより自由で、アイデアや概念を素早く表現する際に用いられます。どちらも美術の基礎として重要で、視覚的理解と表現のスキルを養います。

Bです。デッサンの響きは英語の design に近いので、初めて聞いたときは勘違いしました。概念を素早く表現するときは sketch と言います。特におおざっぱなら rough sketch と言います。

●テレビゲーム
PC games または computer games です。テレビゲームでは通じません。

●テンキー
数字を入力するときに便利なテンキー、これは numeric keypad と言います。

●トイレ
Toilet と言って通じるのは、英国、オーストラリアなどの国です。アメリカやカナダでは便器の意味になってしまいますのでご注意ください。一般的には bathroom で通じます。公衆トイレは public bathroomlavatory も使われますね。飛行機のトイレで見かけたことがあると思います。ホテルやレストランなどでは powder room という言葉も最近では使用されていますね、女性用トイレです。

トイレは国によって違いがありますが、上海の街中ではお金を払って使用できるトイレがあります、いざというときに小銭を用意していた方が良いです。北京では、壁のないトイレに入ったことがあります、となりの人が見えてしまうのでちょっと抵抗がありました。バンコクにもコインを入れて入るトイレがありますがタイ語でしか説明がないので、何回試しても入れませんでした。バンコクの郊外でトイレはどこか尋ねると露店のおばちゃんが公衆トイレの鍵を渡してくれました。タイ語が話せる友人がいなかったらと思うと変な汗が。バンコクにはBTS(スカイトレイン)が走っていますが、駅にはトイレがないので注意。デパートやガソリンスタンドなどを覚えておくと良いと思います。

●ドクターストップ
doctor's orders です。doctor stop と言っても通じません。ドクターストップがかかったら、It's doctor's orders. と微笑みましょう。

●ドライブレコーダー
drive recorder ではありません。drive も recorder も英語なので、drive recorder でも良いように思いますが、dash cam / dashcam / dashboard camera です。drive recorder でも私は別に変ではなく、意味は通じます。

最近ニュースで話題になっている警察官が胸に付ける body camera(bodycam)と同じパターンです。

●ドンマイ
そうとう日本人に間違って浸透しているカタカナ英語だと思います。「気にするなよ」のようなシーンでは決して don't mind とは言いません。never mind です。「広辞苑 第五版でも(don't mind から)スポーツなどで、失敗した人を励ます語。きにかけるな。」と載っています。広辞苑は英語辞典ではないのですが、正確に説明をしてほしいですね。「ドンマイ 」の意味で言う他の表現は Don't worry.Don't worry about it.「心配しないでください」もあります。×Don't mind.×Please don't mind. のように一般的な命令としては使いません。ある具体的な行動について言います。例えば、人と同じ部屋で自分が邪魔になるとき、Don't mind me cooking. と言うと「(これから私は)料理でお邪魔します。(私を無視してください、または許してください。)」というイメージです。「私はそんなこと気にしない」 I don't mind it. (「私」という主語で言うことが多いです。)「私を気にするな」Don't mind me. のようなときは、don't mind です。

Scent of a woman(1992)Frank (Al Pacino) が Donna (Gabrielle Anwar) に話しかけるシーン。
- Frank: What are you doin' right now? (今何をしておられます?)
- Donna: I'm waiting for him.(彼を待っています。)
- Frank: Would you mind if we waited with you, just keep the womanizers from bothering you?(じゃ、ご一緒に待たせていただけますか? 守って差し上げたいんです。あなたに言い寄る男たちから。)
- Donna: No, I don't mind.(じゃあ どうぞ)

Yowamushi Pedal(弱虫ペダル - Netflix)S4:E24 “The Small Pass”(小さな峠)。
- 小野田坂道: I went down the mountain and bought these drinks just now. Good work. If you don't mind, please take them.(今 下まで行って買ってきました。お疲れさまでした!よかったら あの… どうぞ!)

Yowamushi Pedal(弱虫ペダル - Netflix)Season 5: Episode 1
- 小野田坂道: How can I explain this? You're always… pulling us forward in a kind way.(なんて言うか いつも… 優しく引っ張ってくれてるから)
- 今泉俊輔: Now's not the time for this conversation.(今 言うことじゃねーな)
- 小野田坂道: You're right! Sorry!(あ だよね ごめん)
- 今泉俊輔: No, never mind. If you felt like saying that during a race, then you should say it.(いや 違うか レース中でも言いたくなったんならそれは言うときだな)


●ナイーブ
「あいつはナイーブだからな」というときのナイーブ、繊細という意味で使っていませんか?英語の naive にはそんな意味はありません。迂闊にも You are naive. なんて言ってしまったら一生口をきいてもらえなくなるかもしれません。naive には「幼稚な、考えが甘い」など、ネガティブな意味しかありません。繊細ということを言いたいときは sensitive です。
naive の語源はフランス語の naif、純粋、うぶなどの意味で、ネガティブにもポジティブにもなります。

Barbarians: Season 2(Netflix)
ローマ軍との次の戦いに備えるために Cheroski 族 族長の Ari が Macromanni 族 族長の Marbod に一緒に戦おうと誘っているときの会話から
- Marbod: Can't you feel that? That is pease.(感じないか。平和だろ。)
- Ari: Don'be so naive.(甘いな。

Yowamushi Pedal(弱虫ペダル - Netflix)S1: E7 I Want to Catch Up!(追いつきたい!)
総北高校自転車競技部 1年生対抗ウェルカムレース峰ケ山の登りで小野田坂道のモチベーションを話している寒咲幹に巻島先輩が「甘いね お嬢ちゃんは 夢? それドリームっショ」How naive. A dream? That's his dream, right?

Yowamushi Pedal(弱虫ペダル - Netflix)S3: E8 Finish Line(ゴールライン)
箱根学園自転車競技部 入部シーンで黒田雪成が荒北先輩に切れた時の荒北先輩が「本当に自転車できんの?甘チャン」Do you really know how to cycle? How naive.

BLEACH 千年血戦篇 S17(Netflix): E10 The battle
卯ノ花隊長と更木剣八の死闘で卯ノ花隊長が更木剣八に「死んだ... と思いましたね。ぬるい。」Did you think I was dead? How naive.

●ノートパソコン
仕事でいつも持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。note はメモ、備考、または注意書きという意味なので、英語では note とは言いません。laptop と言います。膝の上にのせて使うのにちょうど良い大きさだからですかね。または「ノート」という意味の notebook を使って notebook computer と言います。正式な言い方としては、notebook computer を使うことが多いですね。因みにパソコンも英語では、ありません。personal computer、または略して PC です。パソコンはパーソナルコンピューターのカタカナ英語を略しています。

PC と言うと、Mac ではなくて Windows のパソコンだということが強調されます。Mac or PC のように別々のカテゴリを指します。日常で computer と言うとパソコンのイメージですね。

●ノルマ
ノルマはロシア語の Норма (norma) が語源です。英語でノルマに当たる言葉は quota です。広辞苑 第五版では(もとラテン語で規範・標準の意)①ソ連時代の制度で、労働者が一定時間内に遂行すべきものとして割り当てられる労働の基準量。賃金算定の基礎となる。②転じて、一般に勤務や労働の最低基準量。「-を果たす」とあります。このノルマという言葉は、シベリア抑留体験者から広まったようです。

8月15日は、終戦の日でしたが、『戦争と嘘=フェイク』(TBS)でシベリア抑留体験者の地獄のような辛いお話を聞きました。まさかこの番組でノルマという言葉を聞くとは思いませんでした。抑留者は1日の作業量が課せられ、それはロシア語でノルマと言われたとのことです。そのノルマに達しない場合は、食事が与えられずに、寒さと飢えで亡くなっていったそうです。この番組で、舞鶴引揚記念館が紹介され、学生の語り部が引揚の歴史を語っているとのことでした。こういう記念館があることを私は知りませんでした。私たちは、あの悲惨な戦争を決して忘れてはならないと思います。
シベリア抑留のお話は舞鶴引揚記念館のウェブサイトを訪れて確認してみてください。(2022年8月17日)

●ノンアルコール
「飲んだら乗るな!」という標語がありますが、飲酒運転は絶対にダメ!お酒を飲みたいけど飲めない状況でノンアルコールビールを楽しむ人もいるのではないでしょうか。英語は Non-alcoholic です。カタカナと同じ non-alcohol と言っても意味が通じて変ではないです。最近では alcohol free もよく聞くようになりましたね。

Bです。alcohol free をあまり聞いたことがないですが、fat freesugar freecaffeine free と同じパターンなので分かりやすいです。コックテールをノンアルコールにしたら、virgin 〇〇 と呼ばれることもあります(例えば、a virgin piña colada)。総称は mocktails(mock模擬+cocktail)です。

●ノンシュガー
ダイエット中や糖分が気になる人に好まれるノンシュガー。英語では、形容詞 sugarless または sugar freeと言います。no sugar という表現も使われます。「ノンシュガー」に該当する non-sugar は、ノンシュガーの食品全体ではなく、甘味料の種類です。例えば、aspartamenon-sugar sweetener(砂糖ではない甘味料)の一つです。


●バイク
外国の方に「バイクは乗れるの?」と英語で聞かれましたが、バイクの免許を持っていない私は「乗れません」と答えました。するとその人が「じゃあ乗り方を教えてあげる」と言って自転車を持ってきた、という経験があります。とても恥ずかしかったですが、このように英語の bike は自転車です。日本語のオートバイは motorcycleまたは motorbike です。

英語で、ときどきスラングとしてバイクのことも bike と呼びますが、普通は、アメリカ英語の bike は自転車という意味です。イギリス英語ではオートバイだそうです。

●バイト
アルバイト、バイト参照。

●ハイタッチ
『ボブという名の猫-幸せのハイタッチ』
A Street Cat Named Bob-Happy High Five
この映画を知っている方は、日本語のタイトル名と英語のタイトル名の違いですぐに気がつくでしょうか。日本語のハイタッチ、英語は high fiveです。初めて「ハイタッチ」を聞いたときは少しびっくりしました。 touch は、タッチ画面のような軽い接触なので、ハイタッチみたいに強く叩くと touch のイメージではないと思います。slapclap の感じです。また、five は、その片手の5本指のことですが、両手でやっても、言い方はそのままで、high ten とはあまり言いません。ハイタッチを求めているときは Gimme five.(Give me five.) とよく言います。

映画の猫はボブ本猫が演じているんですよね。ボブのハイタッチは見ていてとても可愛くて、気持ちいいですね。

●パトカー、パトロールカー
この車が街を走っていると、安心します。ドキッとするときもありますけどね。これは、patrol car の英語から来ていますが、一般的には police car と言います。

●パンク
タイヤがパンクしたというときのパンク。これもカタカナ英語です。広辞苑 第五版によると、『(punctureの略)①自動車や自転車などのタイヤが破れること』とあります。英語は flat tireblow outpuncture です。I had a flat tire. で「タイヤがパンクした。」です。パンクの視点と flat tire の視点が違うのがわかるでしょうか。Yowamushi Pedal(弱虫ペダル)インターハイの県予選で、鏑木君の自転車がパンクして「ああ パンクだ」と言ったときは、Flat tire!ですね。また、『②転じて、物がふくらんで破裂すること。また適量を大幅に越えて機能が損なわれること。電話回線が-する』とあります。「電話回線がパンクする」は、Telephone lines are jammed*. パンクして回線が落ちたら Telephone lines are down. です。
punk と綴ると意味が変わります。punk rock と綴ると、あーなるほどと思われるのではないでしょうか。punk は、(役にたたない)若造、新米、無価値なもの、つまらないものなどの意味があり、いわゆる当時の不良という意味で、その人たちの間で1970年代に反体制的ロック punk rock は生まれました。結構ファッションも含めて過激なイメージがありますね。 喧嘩を売ろうとして話しかけるときに相手のことを punkと呼ぶことがあります You got a problem, punk?「てめぇ、文句あんのか?」的な。。。

*jam は、道路の渋滞という意味の traffic jam と同じ言葉です。「詰まっている」というイメージです。

夏目友人帳呪術廻戦Jujutsu Kaisen 呪術廻戦(Netflix): S2:Episode 44
真人が戦意喪失中の虎杖悠仁に対して浴びせる強烈な言葉。
Don't be naive. Punk! This is war!「甘えんだよ。くそガキが!これはな戦争なんだよ!」

Natsume's Book of Freinds(Netflix): S3: E7:Exorcist
的場静司の放った矢が刺さり怒りの頂点に達した斑(まだら)の的場への怒り。
You punk. 「小僧」ニャンコ先生も怒ると怖いのです。

●ピエロ(道化師、道化役)
英語は clown です。 中世イタリアの喜劇「コメディア・デラルテ(Commedia dell'arte)」に登場する「ペドロリーノ(pedrolino)」という召使役に由来します。これが、フランスに渡り pierrot となります。この pierrot がピエロの語源となっています。日本では、ピエロというとサーカスで道化役を演じる人をイメージする方が多いのではないでしょうか。サーカスの世界では、この呼称も間違いで本来はクラウン clown というべきだとのことです。どこで間違ったのでしょうか。crown と間違う方もいると思いますが、crown は王冠の意味ですので。

●ピアス
海外旅行のお土産にお洒落なピアスはどうかな?と考える方もいるかと思いますが、海外で pierce と言っても通じません。耳に付ける jewelry の英語は earrings です。pierce は「~に穴をあける、~を突き刺す」という意味で、アクセサリーのイヤリングの意味はありません。

piercing とするとピアスの意味があります。耳につけるピアスは ear piercing(s) と表現できます。

●ビニール
ビニール袋、ビニール傘。普段日本人が認識しているビニールはビニールではないかも知れません。ビニール袋の英語は plastic bag 、ビニール傘の英語は plastic umbrella です。ビニールハウスは greenhouse です。地球温暖化の原因になっている温室効果ガスは greenhouse gases(気体の総称なので複数形です)となります。

英語で vinyl は日常の言葉ではないですね。レジ袋やビニールシートという、ビニール製の物は、plastic と言います。ペットボトルも plastic bottle ですね。どんなプラスチックなのかを気にしないで、具体的な何かを指しません。 vinyl という言葉自体は「レコード」という意味で使われます。I have that one on vinyl.I prefer the sound of vinyl.Here's my vinyl collection. などと言います。レコード以外に、日常の物の素材を vinyl と呼ぶのはシャワーのカーテンくらいです。

●ピンセット
ピンセント図のようなイメージの日本語のピンセットはオランダ語の pincet が語源です。英語は tweezers と言います。scissors の様に複数形です。


●フェミサイド
女性を理由にした殺人を、femicide、または feminicide と言います。元の英語をカタカナでフェミサイド、またはフェミニサイドと日本語では表記しますが、このカタカナを使用するのは少し考えた方が良いと思います。femicidefemi+cide ですが、フェミサイドの表記で、このサイドが殺人の cide だとすぐにイメージできる日本人はどの程度いるのか疑問です。先日の小田急線で起きた女性を狙った事件(2021年8月6日)でフェミサイドとカタカナを使ってしまうのは、事件の重大性をぼかしてしまわないか心配です。もしフェミサイドという言葉を使いたいのであれば、「フェミサイド(女性を理由にした殺人)」の様に、フェミサイドが市民権を得るまでは括弧付きで日本語の説明が必要ではないでしょうか。

英語であまり知られていない言葉です。この単語を見たことがありますが、日常では見かけない社会学の用語だと思います。(ニュースでは最近の事件を misogynistic mass murders とかと言って、その「モテないから、女性のことが嫌い」な犯人は incels と呼ばれ、incel terror の事件とも言われます。)一瞬 femicide の意味を忘れていましたが、suicidegenocide-cide(ラテン語の「斬る」)で終わる言葉は基本的に「殺す」という意味なので英語ネイティブなら、見たことがなくても意味を当てられます。しかし、日本人には、それをカタカナにした場合の単語は確かに分かりにくそうですね。

●プッシュホン
push phoneって言うなら push button phone っていう方が自然かもしれませんね。英語は touch-tone phone といいます。

昔の黒電話は rotary phone です。

●ブラック企業
日本語の黒は、「汚い」「ダーティ」「闇の」といった意味がありますので、その黒をブラックに置き換えてブラック企業という言い方をしますが、これを英語で a black company というと、黒人の会社という意味になってしまいます。また、レイシスト(人種差別主義者)と間違えられかねません。日本人はあまり色が差別の意味を持っていることを気にせずに使用してしまいますが、英語で色を使うときは、気を付けましょう。英語で、日本語のブラックの意味を伝えたいときは an exploitative company とか an evil company と言えばいいと思います。

a black company は、黒人が創立して、主に黒人を採用する会社を指す実際に使われる表現です。アメリカでは、人種差別の影響で仕事が見つかりにくい黒人を支えるコミュニティーを作るためです。会社だけではなく she attended a black university(主に黒人が通う大学)や members of black organizations(黒人支援の団体)などもそうです。

●プラハ
チェコ共和国(Czech Republic)の首都 プラハ、この表記はチェコ語の Praha からきています。英語は Prague です。日本で習う外国の地名は国際的に通用しないカタカナで習うので英語で会話をするときは困ることもありますよね。
同様に、オーストリア共和国(Republic of Austria)の首都ウィーン、この表記はドイツ語の Wien からきています。オーストリア共和国の公用語はドイツ語です。英語は Vienna です。PragueVienna もカタカナ表記からだと想像できないですよね。英語での外国の地名は普段から気にしていないと難しいです。英語圏に出かけるときは、少なくともその地の英語表記は確認してから出かけたほうが安心ですね。

イタリア(Italy、イタリー)の街の名前も随分違います。
フィレンツェは Florence フローレンス、ナポリは Naples ネープルズ
その昔、現代のイタリア語と違う現地の方言を通じて英語に入ったきたからだそうです。そんな流れで色々な国の地名の英語は変になりました。多くの場合は日本語のカタカナの方がその国の言語の発音には忠実なのかなと思います。

●フリマ、フリーマーケット
日本人に発音しにくいのがこのフリーマーケット。聴くのも慣れないと難しいかもですね。休日などに催され、中古品などの売買を行うときのフリーマーケットは、flea market、経済で自由市場というときのフリーマーケットは free market です。 flea は蚤という意味です。蚤の市とも言われますね。広辞苑には 蚤の市(marché aux puces フランス)で載っています。flea market の由来はネットで探すと、あー納得となりますので、ぜひ探してみてください。

●ペーパードライバー
車の免許を持っていても、普段運転することがないときに、「私はペーパードライバーです。」というのを耳にすることがあります。paper driver?紙製の運転手?ペーパードライバーは、全くの和製英語です。I have a license but I never drive. の様な表現になります。

初めて聞いたときは、意味が分からなくて、paper pusher「書類などの業務を扱う人」というようなことだと思ってしまいました。drive は「狩り立てる」という意味もあって、面白いイメージでした。文字通りに、紙製の運転手も想像しました。

●ペダル
弱虫ペダル秋田書店の『週刊少年チャンピオン』連載中の「弱虫ペダル」のペダル、英語は pedal と表記します。ミシンのペダル、ハープやピアノのペダルとしても使われますね。日本語では、ペダルするとは言いませんが、英語の pedal は名詞と動詞の役割があります。自転車を漕ぐは to pedal となります。だから、Yowamushi Pedal(弱虫ペダル)のシーンでは、ペダルを回せ!踏め!というときに Pedal! という表現も当てられていますね。

弱虫ペダル 88巻。夏のインターハイメンバー決まりましたね。杉元君、段竹君に惜しくも負けてしまいましたね。六代君1000km完走できてよかったです。総北高校のホーム、峰が山へやってきた箱根学園の真波君と扉間君、そして最後のページの雉君参上って、どうなってしまんでしょうか。89巻がめちゃくちゃ楽しみです。

●ベビーカー
stroller と言います。日本人スタッフの話では子供が生まれたとき、パートナー(妻)に「stroller が必要だね」って言われてもすぐに反応できなかったようです。「ベビーカー」を初めて聞いたときは少し笑いましたね。「ベビーカー」そのままのイメージだと、赤ちゃんが乗る小さい自動車というイメージです。カタカナ英語に慣れてしまうのは怖いと思います。
イギリス英語では pram だそうです。イギリス人の知り合いと遊びに行ったときにそう言っていました。

昔は baby carriage と呼ばれていました。

●ホームドア
転落防止のために、都市圏の駅で設置の進むホームドア。home door と思っていませんか。英語では、platform screen doorsautomatic platform gates と言います。駅のホームは、プラットホーム、プラットフォームとも言いますが、最近はホームと言うことの方が多いのではないのでしょうか。プラットフォームだとまだ英語の原型が浮かびますがホームからだと難しいですね。

platform screen doors の screen door は網戸のイメージだと思います。私の感覚では日常の言い方として platform doors が自然だと思います。

●ホームドクター
コロナワクチンの接種にかかりつけ医を推奨している自治体もありますね。このかかりつけ医のことをホームドクターと言いますが、これは間違いで正しくは family doctor です。

●ボディチェック
空港などで行われる保安検査を「ボディチェック」と言いますが、保安検査は全体的に security check です。保安検査を行う場所が security checkpoint。具体的に、警察や空港の警備員が体を手で叩くチェックは pat-down と言います(The police are doing a pat-down on him.The security guard gave him a pat-down.)。 body check という表現は変ではなく聞いたら意味が通じますが、やはり使いませんね。健康診断の「ボディチェック」という意味でも使わないと思います。スポーツで選手が体当たりするという意味で、body check は使われますね。

●ボリューミー
量が多い食べ物を形容するときに、たまに「ボリューミー」とテレビで食レポしているのを聞くことがあります。volume + y で volumy と言っているつもりなのでしょうが、英語には volumy という言葉はありません。食べ物の量が多いというときは、filling と言います。「食べ応えのある」「満腹感をもたらす」といったような感じです。または That restaurant has big portions. I can't eat such a huge portion. The meal came with a generous portion of mashed potatoes. などと、bighugegenerous portion を使っても良いです。強調したい場合は huge を使うといいでしょう。generous というと、レストランとかが「惜しみなく」たくさんの料理を提供してくれるというイメージです。(お店が潰れないか心配になりますね。) 食べ物以外でボリューミーを使う場合があるのかどうかわからないのですが、この意図に一番近いのは、It has some volume.It has a lot of volume. という表現が自然です。voluminous はどうなのという声が聞こえてきそうですが、日常ではほぼ使われません。髪型を言うときに使われるようですが、それでも Give your hair volume.Increase your hair's volume. のように名詞の volume を使った表現の方が自然ですね。

衣服などがゆったりしているという表現をするときは、雰囲気に合わせて使い分けます:billowing、baggy、poofy、puffy、fluffyです。


●マナーモード
英語は silent mode、または vibration mode です。日本語のマナーモードは、何を意味しているか目的がはっきりしていません。英語でははっきりと示すことが大事です。

●マフラー
寒くなってくると、首に巻いて暖かくしたいですよね。広辞苑では、muffler と載っていますが、英語では、首に巻くものとしての意味で、今は使われていません。昔は muffler も使用していたことがあるようですが、今は、首に巻く、首に身に着けるものは、scarf といいます。カタカナでもスカーフと表記しますね。スカーフというと、おしゃれで薄手のものを連想するかと思いますが、英語では厚手のものも scarf です。厚手のものは、冬に使用する機会が多いと思います。英語は winter scarf です。muffler は自動車の排気音や銃の発射などを消す装置。消音装置。サイレンサー(広辞苑)としての意味になります。

Bです。小学生のときに昔の小説を読んでいたとき muffler という言葉が出てきて、人が車の排気音の装置を身に着けていると思って混乱したときを思いだしました。銃の消音装置は一般的に silencer として知られています。ただし、silent と言うと音が全然ないイメージなのに、実際に silencer 使っても音がまだ大きくて、音が少しだけ静かになる装置なので、銃の専門家には、音の「抑制」という意味の suppressor と呼ばれるそうです。

●ミイラ
英語は mummy です。カタカナで表記するとマミー。ミイラはポルトガル語の mirra からきています。ミイラの防腐剤として mirra 没薬(もつやく)が使用されていたので、いつのまにか乾燥した死体そのものをミイラと呼ぶようになったようです。英語の mummy はアラビア語の مومياء(mūmiya')などからきているようです。مومياء(mūmiya') は瀝青*(れきせい)、わかりやすく表現するとアスファルトという意味です。ミイラには、古代世界で治療効果があるとされた物質、瀝青が含まれているという誤解から、そう呼ばれるようになったようです。ことばを遡ると面白いですね。ミイラは漢字で書くと木乃伊。ピンインで表記すると mùnǎiyī ムナイです。

* 【瀝青】(本来は天然アスファルトの意)天然に産する個体・半固体・液体または気体の炭化水素類に対する一般名。(広辞苑 第五版)
* 偶然ですが、UK英語では、「お母さん」という意味の子供っぽい言葉として mummy と言うそうです。スペルと発音は「ミイラ」という意味の mummy と同じです。私はこれを一瞬誤解することがあります。US英語の該当する言葉は mommy(マーミー)です。(子供っぽくないUK英語の mum とUS英語の mom は同じパターンです。)

●ミス
仕事では使いたくないですが、何か間違いを起こしたときに「ミスする」という表現を使いますが、そのような場合に英語では「ミス」を使用しません。mistake または error です。広辞苑 第五版では、『【miss】はずすこと。失敗すること。過失。「サーブを-する」』とあります。『失敗すること。過失。』は、英語の miss とは少し違うと思いますが、こういうのも誤解を生じさせているのではないでしょうか。何か間違いを起こして「やっちまった」というときは、I made a mistake. です。 miss には、はずすや寂しいという意味がありますので、I missed my first serve. 「ファーストサーブを失敗した」、 I miss you.「あなたが恋しい」などの表現で使用します。

miss の動詞、普通の言い方は made a mistake ですが、状況によっては、少し重要な間違いのイメージです。もっとカジュアルな感じでよければ I messed up. または I screwed up. と言います。そのまま自動詞として使えますが、他動詞にもなります。例えば、ピアノを弾いていて、曲の最後の部分をミスしたら I messed up the last part. と言います。動詞の miss は、主に銃で的をはずすとき I missed the target. などと使います。

●ミルクティー
ちょうどそんな時間(アフタヌーンティー)にこの原稿を書いています。英語は tea with milk です。white tea とも言います。何も混ぜないときは black tea です。この前まで、どこかの飲料メーカーが紅茶派かコーヒー派かとやっていましたが、あなたはどっち派ですか。私は緑茶とミルクを混ぜたものが好きですね。tea というと日本では緑(green)ですが、日本茶の緑に慣れている人には、 black って馴染めないですかね。同様にレモンティーは tea with lemon です。世界のお茶の生産量は紅茶が6割、緑茶が3割なんだそうです。紅茶は「あか」で、英語の black tea は「黒」ですね、これは見た目による違いらしいです。ただ私には、milk tealemon tea が正式な英語の表現ではなくても、それほど違和感はなく意味が通じます。

●メーカー
製造者、モノを作る会社の英語は manufacturer です。業界によって、英語の ●● makerJapanese car makersaudio equipment makersa power tool maker 等)は使います。正式に manufacturers と言われても、くどくて、かたい言葉なので、記事とかの文中に、カジュアルな雰囲気で maker も使います。ただし、どんなメーカーかを言わないで、that company is a maker と言ったら非常に変です。

●メス
医療用のメスは、オランダ語の mes が由来です。英語は、scalpel です。scalpel bladesurgical bladesurgical knife とも言います。He's going under the knife(手術を受ける(予定))のようにスラングの表現では knife とも言います。

英国ドラマの CRITICAL(クリティカル 緊急救命チーム 2015年制作)では、blade が使用されていたと思います。

●USBメモリー
USBメモリーの英語は USB flash drive です。flash drive, thumb drive, USB stick などとも言われます。USB flash drive の呼び名の元になる Flash memory(フラッシュメモリー)は、舛岡富士雄博士(当時東芝研究所社員、1994年退社、東北大学 名誉教授)によって1980年に開発されました。記憶を消去するのがカメラのフラッシュのようだということで、Flash memory と1984年に命名されました。私達の生活に必要な世界的大発明といっても過言ではないと思います。Microsoft社は2005年、USB ポート付きの Xbox 360 を発売するのですが、USB flash memory を Microsoft社は「USB flash drive 」と呼びました。世界的企業の影響力はすごいですね。最初にフラッシュメモリーが使用されたのは自動者です。排ガス規制により、自動車のエンジンをコントロールするのに、EPROMというメモリー(記憶装置)が使用されました。しかし EPROM は紫外線を照射しないと消去できないという問題がありました。その為、環境変化などによるプログラムの更新には、一度エンジンからプリント基板を外して、紫外線照射をしてからプログラムを書き直すという作業が必要でした。フラッシュメモリーは、紫外線照射する必要なく電気的にプログラムを書き換えられるということが実現したのです。現在私たちが使用している、産業製品、家電製品の全ての記憶装置は、この技術が使用されています。この技術がなかったらスマホもこの世になかった?のかもしれません。

Hです。なぜ、私達は日本で開発されているのに、Flash memory とは言わないのでしょうか?日本社会では、「出る杭は打たれる」という諺がある通りで、世界的な大発明をしても、その社会では評価されないということをくり返してきました。この Flash memory もそういう話の一つです。舛岡博士は当時、Flash memory の開発予算を相当な苦労をして獲得しています。でも東芝では評価されなかった。Intelでは評価されているんですよ。Floppy discYagi–Uda antenna などの技術も海外で評価されてから日本に入ってきた。日本で再評価された技術はたくさんあります。私たちは、もっと柔軟な社会を創れないのでしょうか?

●メルアド、メールアドレス
e-mail address、または e-mail と言います。mail address というと家の住所と間違えるかもしれません。mail は郵便(ポスト)という意味ですね。英語では「e-」を必ず付けて e-mail(またはハイフンなしの email)を使いましょう。

e-mail の「e」ですが、e-learninge-trading と同じパターンで electronic の頭文字でもあります。

●メルマガ、メールマガジン
newsletterse-mail newsletters、または e-mail magazine と言います。e-mail magazine を略した e-zine という表現も使われることがあるようです。newsletter ですと
テキストだけのイメージ、magazine ですと雑誌のようなイメージがありますが、今はウェブ
ページのような内容のものも配信されるようになっていますね。magazine は Web上の電子雑誌などのイメージもありますので、メールで配信するニュースは newsletters の表現の方が良いと思います。ちょっと前までは、e-mail newsletters や e-newsletters と言っていましたが、媒体が電子メールだということが当たり前になった時代だからかもしれません。「e-」を前に付けることは、デジタル未来のイメージでしたが、逆に時代遅れの呼び方になった可能性があります。

●モーニングサービス
モーニングサービスと聞くとホテルや旅館、喫茶店などの朝食を想像しますが、英語の morning service にはそのような意味はありません。この朝食のサービスは breakfast special と言います。

morning service と聞くと、朝の何らかのサービスですが、食事のイメージではないです。教会の文脈の中では、朝の礼拝という意味になります。


●リストアップ
よく「●●をリストアップしておいてくれ」などと、使われますが、このリストアップも和製英語です。英語は list です。誰がアップを足したのか謎ですが、list up とは言いません。make a list と言えば、「リストを作成する」となります。make a list of ●● で、「●●のリストを作成する」となります。なお、英語で up を付けた場合は、「仕上げる」や「完全に」というイメージになります。clear uptear up などの表現がそうです。

カジュアルな雰囲気で、他動詞の「list up ●●」(●●のリストを作る)と言うことはあります。Please list up all the things you want to do today.He asked me to list up some of my favorite songs. の感じです。しかし、名詞で、This is a list-up of the best hotels. としては使いません(list だけです)。

●リタイア
「弱虫ペダル」のアニメ 第一シーズンの「RIDE 7 追いつきたい!」で金城主将が小野田坂道に「どうした選べ。完走して3位か? 今泉たちを追いかけてリタイアか-。お前の道を」というシーンがあります。もりあがる場面ですよね。このときのリタイアの英語は drop out です。Yowamushi pedal(Netflix)では、Finish the race in third place or chase after Imaizumi and Naruko until you drop out. と表現されています。レースなどの途中で英語で retire と言うと、そのレースを諦めるだけではなく、引退して、もう一生レースに出ないイメージです。drop out は参加している人たち「から落ちる」という意味になります。卒業の前に学校を辞めてしまうことは同じように drop out of school と言います。ドロップアウトは既にカタカナ英語にもなっていて、広辞苑にも載っていますね。

●リップクリーム
lip cream ではありません。chap stick、または lip balm と言います。それで、思い出しましたがフィリピンでは、Tiger balm という万能軟膏が有名で、私も使ったことがあります。タイガーバームで覚えていましたが、Tiger balm だったのですね。男性は間違えても lip stick(口紅)と言わないように。口紅はルージュという言い方もありますが、これはフランス語の rouge (赤、赤い色)をカタカナにしたもので、口紅のフランス語は rouge à lèvres ですので間違えないように。英語でも rouge で、ほう紅の意味もあります。chap stick は lip balm の商品名(ChapStick)で、chap stick の方が使われていると思います。

Tiger balm はシンガポールやタイなど東南アジアの国々で使用されています。日本でも購入できます。

●リモコン
今はこれがないと生活ができません。正しくは remote control、または remote controller。遠隔制御という意味です。ボタンなどを押して制御するものが遠隔制御装置(remote controller)です。remote は形容詞ですが、名詞として the remote と言うことが多いです。日常のカジュアルな言い方です。remote controller はそんなに使いません。the remote よりもカジュアルな(ちょっとかわいい)言い方は the clicker(ボタンが)「パチッパチッとするやつ」)です。

●レコード
レコードプレーヤー DENON DP-57Lレコードレコードを英語では vinyl または vinyl record と言います。vinyl の発音はヴァイナルのようになります。
写真はレコードとCD(Compact Disc)を比較したものとレコードを演奏するレコードプレーヤー DENON DP-57L です。詳細は DENON Museum へ(最近は、このレコードが見直されているようですね。針を取り換えたり、演奏するときにトーンアームが針をレコードまで運んでくれる機械的な動きはわくわくしますね。)

普通は record と言うとビニールのレコードという意味ですが、抽象的に「アルバム」という意味で使われることもあります。その record は CD またはダウンロードしたファイルかも知れません。曖昧ではない言い方は vinyl record ですね。レコードプレーヤー 英語は record player です。turntable と言うときもあります。

●レジ
レジは register を略した言葉です。register には登録するという意味がありますが、コンビニやスーパーなどのレジ(機械)は cash register です。そこでレジ打ちをしてくれる人や袋詰めしてくる人は cashier と言います。レジはどこですか?という場合は、Where is the cashier? Where is the checkout? と言えます。register も同様に、Where's the register?He's waiting in line at the register. のように言えます。check outというと勘定を済ませて出ていくという意味がありますので、Where can I check out?で、どこで会計できますか?となります。
ネイティブもよく間違えることですが、名詞 checkout は動詞として使うときは check out のように2つの単語になります。「会計する」という意味ですね。login → log in と同じパターンの表現です。ですので、checkoutcheck out は、Where is the checkout?Where can I check out? になります。(参照、セルフレジ

●レトルト、レトルト食品
調理済みの食品を袋やパックに入れて密封し、加熱・殺菌処理をしたレトルト食品。簡単に食事が用意できるので便利ですね。米国の陸軍が缶詰に代わる携帯食として開発されたのが始まりだそうです。レトルト食品は、英語も retort food ですが、この名詞は一般的ではないようです。Ready-to-eat foodMeals ready-to-eat(MRE)Pre-packaged food などが一般的に使用されます。

語源はオランダ語で、意味は「加圧過熱殺菌をする釜」だそうです。

●レンジ、電子レンジ
英語で最も良く使われるのは microwave です。microwave oven を略したのが microwave です。電子レンジはマイクロ波の電波で物を温めますので、microwave oven です。「電子レンジで温める」という意味で microwave を他動詞として使うことも多いです。He microwaved the slice of pizza for 2 minutes. 「チンする」という感じで、カジュアルなスラングの zap* を使って Just zap it for about 30 seconds. さらに、nuke* を使って The spaghetti was way too hot after I nuked it for 5 minutes. と言うと場が盛り上がるかもしれませんね。range には cooking stove** - a unit for cooking, typically including an oven and surface heating units and usually operated by gas or electricity - という意味もありますが、日常ではあまり使いません。技術的には日本語のコンロ(焜炉)がそれにあたると思います。ガスか電気を指すときは gas range または electric range と言えなくもないですが、gas stoveelectric stove と言えば意味が通じます。

*zap はレーザー銃を撃つ音と同じ擬音語です。nuke は食事を「核攻撃する」という大げさな言い方で、ギャグみたいに使います。
** アメリカのコンロはほとんどオーブンと一体になっている大きい電化製品です。そのコンロの部分を通常 stove または stovetop と呼びます。日本語の「ストーブ」は暖房も指すと思いますが、200年前の wood-burning stove(薪ストーブ)以外は、stove は暖房ではなく料理の家電だけを指します。

●レントゲン
日本語のレントゲンは、X線(X-ray)を発見した、ドイツの物理学者 Wilhelm Konrad Roentegen に因んでいます。英語は X-ray です。I'm going to the hospital to take a chest X-ray tomorrow. 検診は大事ですよね。レントゲン写真も X-ray です。

X線は、1858年 Wilhelm Conrad Rontgen によって発見されました。未知の線という意味でX線と名づけられています。


●ワーケーション
ワーケーションは、ずっと日本で作成された造語だと思っていました。英語でもワーケーションという造語はあったのですね。work + vacationworkation です。workcation という表記も見られますが、最近の BBC や CNN などのウェブサイトで確認してみると、 workation という表記が多いようです。

kc の組み合わせは変だと思います。workation というスペルの方が自然だと思います。しかし、ation で終わる言葉が英語は非常に多いです。workation だと vacationc が入っていないので、vacation にくっついていることが分かりにくいです。発音に影響もあります。workcation だと、「っ」が入っているようにリズムが変わって、もっと vacation っぽく発音します。言語学の視点では workcation の方がよさそうですが、やはり workation の方が一般的になりそうです。

●ワクチン
このワクチンはドイツ語の Vakzin が由来です。英語は、vaccine と言います。これに近い言葉で、vaccination という言葉があります。ワクチン接種、予防接種という意味です。vaccinate と動詞になると、ワクチン接種を受ける、予防接種を受けるという意味になります。

●ワンオペ、ワンオペ育児
ファストフード店などで従業員が一人で全てを負担して問題になったことがあります。その状態を one operation から略して「ワンオペ」と言いますが、one operation という表現にそのような意味はありません。元の言葉の後半を省略するカタカナは、英語ネイティブに分かりにくいですね。one operation と言う場合は「1つの作戦」のイメージです。何かを一人でやるときは solo で表現します(He's working solo at the restaurant.She's studying solo at the library.He's handling the whole project solo.)。普段は一人でやるのが難しいこと(複数人が対応する前提のこと)をあえて頑張って一人でやることについては、他動詞の solo を使います She soloed the mountain.I'm soloing the mission.)。これには「挑む」のニュアンスがあります。

この「ワンオペ」から派生する「ワンオペ育児」は solo parenting、パートナーがいるにも関わらず、一人で育児をしなければならないという状況です。

●ワンマン
「ワンマン運転」という意味では、one-man operation という英語からきています。車掌がいないという意味では、conductorless を使って conductorless train という表現もあります。バスや車、トラックの場合は、driverless(運転手無し)という表現もあります。「ワンマンカ―」はカタカナ英語です。「ワンマンライブ」というときは、solo concert です。人の言うことを聞かないなどの意味で、「あいつはワンマン(独裁者)だから」というときは autocrat、もっと強い意味では、dictator となります。

実は、英語の autocrat や dictator は、大統領とかの権力がある政治家だけについて言います。冗談としても、普通の人についてはあまり言いません。He thinks for himself. は、他人に相談したり任せたりしないで自分で決めるイメージです。しかし、ポジティブなニュアンスです。「助言や提案を無視する」というイメージにしたい場合は He's stubborn. と言えます。


-海外で通じない英語らしい略語-

●AV
英語で adult video と言いますが、略しません。AV と言うと audio/visual(映像と音声というジャンルの家電)という意味しか通じません。(私は日本で初めて AV という看板を店の外で見たときに勘違いしました。)

●CA
キャビンアテンダント参照。

●CM
英語では CM と言うと意味が不明です。テレビCMは英語で TV commercial または commercial と言います。ラジオで流れる広告も radio commercial または commercial と言います。広告は、アメリカ英語では ad、イギリス英語では advert とも言います(advertisement の略です)。テレビ(TV ad)とラジオ(radio ad)だけではなく、媒体に関わらず、新聞(newspaper ad)や雑誌(magazine ad)の広告も ad です。

●DV
domestic violence という表現は英語で使いますが、英語は DV と略しません。(domestic abuse とも言います。)DV と言うと Digital Video として理解されてしまいます。20年前に流行っていたビデオカメラの小さいカセットは MiniDV tapes と呼ばれてましたね。

●HP
home page という英語の表現はありますが、1990年代に流行った言い方で、今は時代遅れを感じます。ホームページは web page または website、会社の公式サイトは official website と言います。英語で HP というと、パソコンのメーカー(旧:Hewlett Packard)、または RPGゲームの hit points という意味になります。

ワーナーの海外ドラマ ARROW/アロー を観ていたときですが、英語のオリジナルは website と言っているのに、日本語のサブタイトルでは「ホームページ」と翻訳されているシーンがありました。字幕の翻訳をされている方も、ここは「ホームページ」という翻訳を使用しないで、「ウェブサイト」と翻訳してほしいですね。

●NG
NG は非常に便利な日本語の表現ですが、英語で言うと意味が不明です。OK の簡単な反意語は存在しません。文脈によって no good と言えば意味が通じますが、bad failedrejectedinvalidinappropriateerror などの他の言い方のほうが適切な場合が多いです。英語圏の人たちも NG という言葉を使うようになれば楽なのに。

●PV
PV 、これも意味が不明です。歌手やバンドが公開する、ある曲に伴う映像は music video と言います。または、文脈があれば、the video と言うこともあります(例えば、Have you seen the video for that song?)。

●SL
日本では蒸気機関車を SL と言いますが、この SL は英語の Steam Locomotive の頭文字をとった表現です。英語では SL とは言いません。英語では略さずに steam locomotive と言います。steam trainsteam engine という表現も使われます。 因みに夜回りなどで見かける消防車は fire engine と言います。

●SNS
SNS Social Network Service、または Social Network Site の略語だと思います。思いますというのは、この SNS、実はまったくと言っていいほど英語圏では使われていません。日本では Facebook や Twitter、Instagram などを総称して SNS と言いますが、一般的には social media が使われます。日本では SNS という言葉に慣れ親しんでいますが、そろそろ「SNS」からちゃんとした英語「ソーシャルメディア」に積極的に変えた方がこれからの若い人達が英語を理解するのには良いと思います。総務省の SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の仕組みのウェブサイトでは、「 SNS は、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略...」と紹介されていますが、英語圏ではほとんど通用していないので、この説明を削除された方がよろしいと思います。誰がチェックしているのでしょうね。

●VTR
テレビ局などの業界でビデオデッキのことを video tape recorder と呼ぶことがあります(普通の家庭のビデオデッキは video cassette recorder の略で VCR と呼びます)。しかし、テレビ番組で再生される映像という意味で使いません。短い動画は clipfootagevideo と言います。(昔は tape とも言いましたが、デジタルの時代になり使われなくなっています。)映像を流すように指示するときは roll the clip回すというイメージの他動詞のroll)と言います。


-番外編-

●キーウ
2022年2月24日、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に伴い、欧米メディアは2月末にはウクライナの地名を今までのロシア語表記に由来する英語からウクライナ語表記に由来する英語の使用へ切り替えました。日本のメディアは、欧米に遅れてはいましたが、ゼレンスキー大統領の衆議員会館でのオンライン演説(3月23日)以降、ウクライナ語表記由来のカタカナを使用するメディアが増えています。キエフ→キーウ、チェルノブイリ→チョルノービリなどです。 日本の外務省は「ウクライナの首都等の呼称の変更」(2022年3月31日)で、呼称変更についてその理由をウェブページで説明しています。(2022.04.13 現在)

今回のロシアの軍事侵攻以前の2018年よりウクライナの地名についてウクライナ外務省は、#KyivNotKiev #CorrectUA キャンペーンでウクライナの地名をウクライナ語由来の表記にするよう世界中に求めていました。#CorrectUA の "Official guidance on the correct spelling and usage of Ukrainian place names" を参照願います。

●サイコロ
英語は die(単数形)、 dice(複数形)です。サイコロをカタカナ英語だと思っている人はいないと思います。これは日本語で賽子、または骰子と書きます。本来は采ですが、サイコロだとゴロがいいかららしいです。「神はサイコロを振らない。」はアインシュタインの有名な言葉ですが、英語は God does not play dice. です。

ウクライナとロシアの情報戦争は、
Social Media War? Social Networks War? か

social networkswar と言えば、The Washington PostThe war of the social networks. の記事のように、Facebook や Twitter、それぞれの networks の間の戦争(競争)のイメージです。social media war と言えば、social media 上の war という意味になりますが、これも、比喩的な war で、業界の競争という解釈もあります。 ロシアのウクライナへの軍事侵攻についての英語ニュースでよく聞く表現は war of information または information war です。それは on social media で行われている戦争です。 英語で SNS は通じなくても、social network は使います。媒体として全てのSNS(SNS全体)は social media と呼んで、その中の Instagram や TikTok のことを a social network と呼ぶことはあります。ただし、少し古い感じになっているかもしれません(10年前はよく聞きました)。The Social Network は、Facebook 創立についてのハリウッド映画で、2010年に出ましたね。 私でも知識が遅れていて、どんな傾向になっているか分かりませんが、最近流行っているSNSは social であることは前提なのであえて言わずに、platformapp と言っているような気がします。

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この「カタカナ英語は英語ですか?」のウェブサイトは アメリカ ミネソタ州出身のBと栃木県日光市(旧今市市)出身のHが担当しています。

※2024年4月23日更新。

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